第1回 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律の概要

 『建設業法』及び『公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律』(いわゆる入契法)の一部を改正する法律が、令和元年6月5日に成立し、令和元年6月12日に公布されました。

今回より、建設業法を中心として、改正点について詳しく見ていきたいと思います。

背景・必要性

1.建設業の働き方改革の促進

○長時間労働が常態化する中、その是正等が急務。
〈時間外労働の上限規制〉
✔原則、月45時間 かつ 年360時間
✔特別条項でも上回ることができないもの
 ・年720時間(月平均60時間)
 ・2~6ヶ月の平均でいずれも80時間以内
 ・単月100時間未満
 ・月45時間を上回る月は年6回を上限

2.建設現場の生産性の向上

○現場の急速な高齢化と若者離れが深刻化する中、限りある人材の有効活用と若者の入植促進による将来の担い手の確保が急務。

3.持続可能な事業環境の確保

○地方部を中心に事業者が減少し、後継者難が重要な経営課題となる中、今後も「守り手」として活躍し続けやすい環境整備が必要。

法案の概要

1.建設業の働き方改革の推進

(1)長時間労働の是正(公示の適正化等)
●中央建設審議会が、工期に関する基準を作成・勧告。
 また、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止し、違反者には国土交通大臣等から勧告等を実施。
●公共工事の発注者に、必要な工期の確保と施工時期の平準化のための方策を講ずることを努力義務化。

(2)現場の処遇改善
●建設業許可の基準を見直し、社会保険への加入を要件化。
●下請代金のうち、労務費相当分については現金払い。

2.建設現場の生産性の向上

(1)限りある人材の有効活用と若者の入職促進
工事現場の技術者に関する規制を合理化
ア 元請の監理技術者に関し、これを補佐する制度を創設し、技士補がいる場合は複数現場の兼任を容認
イ 下請の主任技術者に関し、一定未満の工事金額等の要件を満たす場合は設置を不要化

(2)建設工事の成功の効率化の促進のための環境整備
●建設業者が工場製品等の資材の積極活用を通じて生産性を向上できるよう、資材の欠陥に伴い施工不良が生じた場合、建設業者等への指示に併せて、国土交通大臣等は、建設資材製造業者に対して改善勧告・命令できる仕組みを構築。

3.持続可能な事業環境の確保

●経営業務に関する多様な人材確保等に資するよう、経営業務管理責任者に関する規制を合理化
 建設業経営に関し過去5年以上の経験者が役員にいないと許可が得られないとする現行の規制を見直し、今後は、事業者全体として適切な経営管理責任体制を有することを求めることとする。
合併・事業譲渡等に際し、事前認可の手続により円滑に事業承継できる仕組みを構築。