【トピックス】留学生の起業に関する新制度

留学生が日本で起業するためには、従来の制度では、国家戦略特区以外では留学中に起業し、「留学生」の在留資格から「経営・管理」への在留資格変更許可申請を行い、「経営・管理」の在留資格を取得すれば残って働くことも可能でした。

しかし、「経営・管理」の在留資格を取得するためには、

事業所を確保したうえで

①資本金500万円以上を用意

②経営や管理に従事する者以外に2人以上の常勤職員を雇用――

のいずれかを満たさなければなりませんでした。

2015年9月以降は、東京都や愛知県、福岡市など1都3県5市の国家戦略特区に限り、起業準備に取り組む外国人に対して、取得基準を緩和した「経営・管理」の在留資格で6か月の在留を認めています。

しかし、「準備期間が6か月では短い」と制度の改善を求める声も出ていました。

そこで、新制度では、在留延長の対象範囲を全国に広げるとともに、滞在期間を2倍の1年に延ばすことになりました。

新制度では、留学生の起業希望者に「特定活動」の在留資格を与え、最長1年の滞在延長を認めるものになっています。

▶「特定活動」とは、36種類ある在留資格のひとつで、法相が個別に指定した活動を行うことを前提に、日本での滞在を認めるものです。外交官・領事官の家事使用人、アマチュアスポーツ選手などにも適用されています。

平成31年1月19日読売新聞より

日本での留学経験を活かして起業する外国人を増やそうと、政府が新たな取り組みに乗り出した。起業希望者に「特定活動」の在留資格を与え、最長1年の滞在延長を認めるもので、近く初の資格者が出る見通しだ。4月に始める外国人労働者の受け入れ拡大と合わせ、日本で働くことに意欲的な人材を積極活用する。
政府は、優秀な外国人が日本で学んだ知識や経験をもとに、世界にはばたくビジネスを日本で創業したり、日本に残って出身国との橋渡し役になったりすることを期待している。
しかし、従来の制度では、外国人留学生は大学や大学院を卒業・修了すると「留学」の在留資格を失い、原則として帰国しなければならなかった。
留学中に起業し、別の在留資格「経営・管理」を取得すれば残って働くことも可能だったが、事業所を確保したうえで①資本金500万円以上を用意②経営や管理に従事する者以外に2人以上の常勤職員を雇用――のいずれかを満たさなければならず、ハードルは高かった。
政府は2015年9月以降、東京都や愛知県、福岡市など1都3県5市の国家戦略特区に限り、起業準備に取り組む外国人に対して、取得基準を緩和した「経営・管理」の資格で6か月の在留を認めた。
その結果、計54人(18年4月現在)が資格を取得した。ただ、「準備期間が半年では短い」と制度の改善を求める声も出た。このため、在留延長の対象範囲を全国に広げるとともに、滞在期間を2倍に伸ばすことにした。
新制度では、外国人の起業希望者に対する自治体の支援も手厚くする。まず、留学生を受け入れる自治体が支援計画を策定し、経済産業省の認定を受ける。事業経費や住居確保を支援したり、起業の専門家を招いて相談に乗ったりすることを想定している。起業希望者は自治体に活動計画を提出し、認定を受けると「特定活動」の在留資格が与えられる。
政府は昨年12月8日に成立した改正出入国管理・難民認定法(入管難民法)に基づき、4月1日から単純労働を含む分野で外国人の受け入れを拡大する。5年間で計34万5150人の受け入れを見込む。留学生の起業に関する今回の新制度は、外国人との共生に向けて126の施策を盛り込んだ「総合的対応策」の一つで、昨年12月28日に「特定活動」の適用変更を行った。
留学生支援機構の調査(16年度)によると、日本の大学や大学院度を卒業・修了した外国人留学生4万6559人のうち、日本で就職したのは1万4493人で就職率は約31%。