第26回 遺産分割による相続財産の名義変更③

こんにちは!

前々回より、遺産分割によって、相続財産を相続人名義に変えるためにはどのようにしなければならないのかを見ていますが、

3回目の今回は、銀行預金等の相続について見ていきたいと思います。

 

銀行預金等の相続手続については、各金融機関によってそれぞれの手続方法を定めています。

 

金融機関によって多少の違いはありますが、大体次のような書類が必要となります。

①相続届(相続手続依頼書)(当該金融機関所定のもので、相続人全員の署名捺印が必要)

②相続人確定のための書類(下記③~⑤の場合に共通)

▶被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)または認証文付き法定相続情報一覧図の写し

▶相続人の戸籍謄本または全部事項証明書

▶(相続放棄をした相続人がいる場合)相続放棄申述受理証明書

 

③遺言書による場合

▶遺言書

▶(公正証書遺言以外の場合)検認調書または検認済証明書

▶預貯金を相続または遺贈される方(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)の印鑑登録証明書

▶(裁判所で遺言執行者が選任されている場合)遺言執行者の選任審判書謄本

 

④遺産分割協議書による場合

▶遺産分割協議書(相続人全員の署名捺印があるもの)

▶相続人全員の印鑑登録証明書

(未成年者、成年被後見人がおり、法定代理人と利益相反関係にある場合)特別代理人選任審判謄本

 

⑤裁判所の手続(調停・審判)による場合

▶家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本・審判確定証明書

▶預貯金を相続される方の印鑑登録証明書

 

なお、銀行は取引先に相続が起こったことを知ったときは、その預金を凍結し、相続預金の払戻しには上記の書類を要求するのが普通です。

よって、共同相続人の一人がそれらの書類なしに全額の払い戻しをすることはできなくなります。

 

そこで、共同相続人の一人が、このような煩雑な手続きを避けるため、また、その預金の存在に気付いていない他の相続人にその存在を知られないために、相続開始後まもない時期で、銀行がその事実を知らないうちに被相続人の預金通帳と印やキャッシュカードを利用して預金を引き出してしまうことがあります。

この場合、銀行が相続の事実を知らなければ、預金の払い戻しは有効となってしまい、相続財産である預金が事実上一人の相続人の自由になり、他の相続人の相続権を実質的に侵害してしまうことになります。

 

このように相続人の一部の者が相続財産の隠匿や悪用を図る事態を避けるためには、相続開始と同時に取引のあった銀行等にその事実を連絡して、通常の払い戻し手続きが行われないようにストップさせることが必要です。

 

そのためにも、故人と取引のあった銀行やその支店名をあらかじめ知っておくことが大切になります。

今回はここまでにしたいと思います。