第25回 遺産分割による相続財産の名義変更②

こんにちは!

前回より、遺産分割によって、相続財産を相続人名義に変えるためにはどのようにしなければならないのかを見ていますが、

2回目の今回は、株式の相続について見ていきたいと思います。

 

株式の名義変更をする場合、会社の定款や株式取扱規定で、名義書換方法が定められていればそれによることになります。

その場合でも、当該株式を相続した人は、遺言書や遺産分割協議書をもって、名義の書き換えの請求をする必要があります

 

具体的には、

①その会社所定の名義書換請求書

②株券(上場企業、未発行の場合を除く)

③請求者が相続人であることを示す書類(戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)・除籍謄本など)

④遺言書または遺産分割協議書(印鑑証明書付き)

⑤今後使用する印鑑届

などを取り揃えて会社に請求する必要があります。

 

会社によって必要とされる書類が異なることがあるので、事前に問い合わせておくことが必要です。

 

なお、上場企業の株式については、平成21年1月から「社債、株式等の振替に関する法律」が施行され、株券は廃止され電子化されています。

株式の管理は、証券保管振替機構(ほふり)及び証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行われます。

 

もし、株券電子化の実施までに株券を「ほふり」に預託しないで、自分で管理していた場合は、株券は無効となり、株主名簿上の名義人の名前で、発行会社によって「特別口座」が開設されています。

この場合に、株券が自分名義になっていた人は特に問題はありませんが、

相続で株式を取得したのに、自分に名義変更しないまま株券電子化を迎えていた場合には、特別口座の名義を本人名義に回復しなければならないので注意が必要です。

 

また、被相続人が有していた株券が相続開始後に見当たらない場合(株券を紛失した場合)は、株券発行会社に対して、その株券についての「株券喪失登録簿記載事項」を「株券喪失登録簿」に記載または記録することを請求します。

株券喪失登録簿に登録がなされると、その登録から1年後に株券が無効となり、その後に名義書換の請求をすることができるようになります。

 

 

このように名義変更は、不動産においても、株式においても、必ず行わなければならないものになるのですが、もし、不動産が何十年も相続登記がなされなかった場合、どのようなことになってしまうのかを見ておきたいと思います。

 

父の相続が発生して、相続登記をしようとすると、その不動産の名義が先代である祖父のままになっていることがときどき見受けられます。

このような場合を「数次相続」といい、原則的には二段階の所有権移転登記をしなければなりませんが、中間の相続が単独相続である場合に限って、先代から最終の相続人に相続を原因とする中間省略登記が認められています。

この場合も、父が家督相続(旧民法時代は長男が単独相続)していれば、先代から直接父の相続人に登記することができます。

 

しかし、先代の相続人が父の他に何人もいたというような場合は、非常に複雑な法律関係が発生します。

まず先代から父に相続登記するためには、先代の相続人全員の遺産分割協議書が必要ですが、その相続人の中にもすでに亡くなって次の相続が発生している場合もあります。

このようなときは、先代の相続人(または相続人の相続人)ら全員の了解を得て、まず父に単独相続の登記をしなければなりません。

 

昔は兄弟姉妹が多かったために、父の兄弟姉妹だけで7~8人ということが少なくなく、またその兄弟姉妹の相続人が妻子ともでそれぞれ数人ずついると、20人以上の同意を取らなければならないことも稀ではありません。

 

先代が死亡した時に父の兄弟姉妹は皆、父の単独相続に異存がないと思っていたとしても、時が経過し、世代が変われば考えも変わってきます。

よって、相続が発生したのに遺産について話合うのは面倒だとか、話しづらいからという理由で問題を先送りして放置していると、ますます厄介なことになってしまうのです。

 

現実に不動産を占有しているからといって、父の兄弟姉妹の相続人がすべて同意してくれるとは限りません。

むしろ、これ幸いと、なにがしかの金銭を要求してくる方が多いのではないかと思います。

 

このように、相続登記をしないで放置することだけは、絶対に避けなければなりません。

今回はここまでにしたいと思います。