第15回 相続人の相続分はどのように決められているの?④

こんにちは!

今回と次回で「寄与分制度」ということについてみていきたいと思います。

まずは「寄与分」とは何かということを説明いたします。

共同相続人の中に、相続財産を維持増加するうえで「特別に寄与」した者がある場合には、他の相続人との実質的な公平を図るために、遺産を分割するにあたって、その相続人は遺産の中から相続分以上の財産を受け取ることができることになっています。

具体的な計算方法としては、被相続人死亡時にあった財産の価額から、共同相続人の協議で寄与分を決めて、これを控除したものを相続財産とみなして各人の相続分を算定し、寄与者には控除した寄与分をその人の相続分にプラスして計算するのです。

 

それでは、具体的にはどのような場合に「特別の寄与」があったとされるのか?

たとえば、

①被相続人の事業に関して労務の提供または財産上の給付をした者(被相続人の営む事業に対し、無報酬またはそれに近い状態で従事し、労務を提供し、財産の維持、増加に貢献した場合)

②被相続人の療養看護にあたった者(被相続人の療養看護を無報酬で行い、医療費や看護費用等の支出を避けることによって、相続財産の維持に貢献した場合)

などが主なもので、

③その他、夫婦共稼ぎの収入で土地を購入したが、名義は夫名義としていた場合の、夫の相続について妻の寄与分を認めた例もあります。

 

しかし、夫婦間の協力扶助とか、親族間の扶養といったような法律上当然期待される範囲のものは「特別の寄与」ある行為とはいえないと解されています。

 

そして、寄与分を主張できる者は、共同相続人に限られています。

内縁の配偶者や、被相続人の前配偶者、後順位の相続人などは寄与分を主張することはできません。

 

よく問題となるのは、相続人の配偶者の寄与です。

いわゆる、長男の嫁が夫の両親を長年にわたって介護したというような場合です。

この場合も、嫁は相続人ではないので寄与分を主張することはできません。

しかし、嫁の行為を相続人である夫(長男)の行為と同一視して、自分の寄与した分を夫の寄与分として主張することは可能であると一般的には考えられています。

ただし、夫が早く亡くなり夫に代わって夫の両親を経済的に支え、介護してきたという場合でも、長男の嫁は相続権を有していないので、寄与分の主張ができません。

このような場合は、遺言を残してあげないと、夫の嫁は気の毒なことになってしまいますので注意が必要です。

今回はここまでにしたいと思います。