第13回 相続人の相続分はどのように決められているの?②

こんにちは!

今回は、相続分を算定する場合に、「特別受益分」があればどのように取り扱うのかということについてみていきたいと思います。

共同相続人の中に、被相続人から特別の財産上の利益を受けている者がいる場合、これを他の相続人と同じように扱ったのでは、公平を欠く場合が出てきます。

またこのような場合、被相続人の意思からすれば相続財産の前渡しをしたものと推測されることも多いので、

①被相続人からの遺贈や、

②結婚や養子縁組のための贈与、

③生計の資本としての贈与を受けた

者がいる場合には、他の共同相続人の請求によって、計算上、これを特別受益財産として遺産の中に加え、その合計額(これをみなし相続財産といいます)を基礎としてそれぞれの相続分を計算することになっています。

これを特別受益分の「持戻し」といいます。

 

ただし、特別受益がある場合にその価額を遺産に加えるといっても、それは計算上の問題であって、特別受益財産を遺産に組み込んでしまうわけではありません。

上記の「みなし相続財産」を基礎として法定相続分を計算し、特別受益者の相続分から遺贈または贈与の額を差し引いた残額が、その相続人の相続分となります。

もし、特別受益の額が相続分に等しいか、またはこれを超える場合には、その相続人の相続分はゼロとされ、他の共同相続人の身で相続財産を相続することになります。

 

しかし、被相続人がその遺贈または贈与を相続分の計算から除外するとの意思表示を行っているときには(これを持戻免除の意思表示といいます)、これに従うことになります。

ただし、これによって他の共同相続人の遺留分が侵害される場合には、遺留分減殺請求の対象となります(遺留分減殺請求については後述)。

 

そして、特別受益としてみなし相続財産に加えられる財産の評価額は、相続開始時の時価を基準とします。

たとえば不動産の場合は、既に売却されたり処分されている場合でも、元のままの状態にあるものとして時価評価されます。

また、金銭の贈与についても、贈与の金額を相続開始時の貨幣価値に換算した価額をもって評価されるのが一般的です(具体的には、消費者物価指数を参考にして、貨幣価値の変動を考慮することになります)。

 

それでは具体的事例をもとに計算例を見ていきましょう。

・夫が被相続人で、相続人は妻と子供3人(長女、長男、次男)

・相続財産は3,800万円

・特別受益として、長女は結婚の時200万円(相続開始時の貨幣価値で300万円)の支度金をもらっており、次男は商売を始めたときに320万円(相続開始時の貨幣価値で400万円)の贈与を受けている。

 

この場合、各相続人の相続分は次のようになります。

みなし相続財産は、3,800万円+300万円+400万円=4,500万円

 

妻の相続分は、4,500万円×1/2=2,250万円

 

長女の相続分は、4,500万円×1/2×1/3=750万円

750万円-特別受益分300万円=450万円

 

長男の相続分は、4,500万円×1/2×1/3=750万円

 

次男の相続分は、4,500万円×1/2×1/3=750万円

750万円-特別受益分400万円=350万円

 

となります。

今回はここまでにしたいと思います。