第9回 相続人がいない場合、相続財産はどこへ行く?

こんにちは!

今回は、相続人がいるかどうかわからない場合、どのようにしなければならないのかという流れを見ていきたいと思います。

相続人の存在が不明な場合に相続財産をそのまま放置しておいたのでは権利関係が確定せず、相続債権者(被相続人に対して債権を持っていた人≒被相続人にお金を貸していた人)や受遺者(遺言で遺産の贈与を受けることを指定された人)がいる場合に困ることになってしまいます。

そのような場合には

①利害関係人(被相続人の債権者、特定遺贈を受けた者、特別縁故者など)または検察官の請求によって、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任します。

そして

②家庭裁判所により相続財産管理人が選任公告(裁判所が広告・掲示などで相続財産管理人を選んだことを一般公衆に告知すること)され、

公告後2か月以内に相続人がいることが明らかにならなかっとときは、

③相続財産管理人はすべての相続債権者及び受遺者に対して、2か月以上の申出期間を決めて、その期間内に請求の申出をするように公告を行います。

その期間満了後に、

④相続債権者や受遺者に配当弁済(相続財産から弁済すること)が行われます。

 

もし、その申出期間を過ぎても相続人が不明なときには、裁判所がさらに6か月以上の期間を定めて、

⑤最後の相続人捜索の公告をすることになります。

そしてこの期間中になお相続人が明らかにならない場合に、はじめて、相続人の不存在が最終的に確定し、

その後3カ月以内に特別縁故者(相続人以外の者で被相続人と生計を同じくしていたとか、被相続人の療養看護に努めたとか、その他特別の縁故関係があった者)からの請求がなければ、

⑥残りの財産は国庫に帰属することになります。

 

相続人が仮にいた場合でも、最後の公告期間内に申し出なかった場合は、相続人としての権利を失うことになります。

従って、特別縁故者への分与後に残った財産についても相続権を主張することはできないと解されています。

 

なお、共有している不動産について、共有者の一人が相続人なく死亡したときは、原則としてその人の共有持分は他の共有者に帰属することになりますが、

特別縁故者がいる場合は、その人の共有持分は特別縁故者への財産分与の対象となり(最高裁判決平成元年11.24)、

その分与がされないときにはじめて、民法第255条により他の共有者に帰属するとしています。

今回はここまでにしておきたいと思います。