第8回 相続の権利を失う「欠格」と「廃除」とは?

こんにちは!

今回は、相続人であるにもかかわらず、相続権を失ってしまうケースについてみていきたいと思います。

相続人であればどのような場合でも、相続ができるとは限りません。

たとえば、被相続人である父や母に対して、その子が著しい非行を行ったような場合には、その程度に応じて欠格と廃除という制度を設けて、子の相続資格を失わせるようにしているのです。

 

では、どのような場合に相続欠格者となるのでしょうか?

相続人が、被相続人を殺害するなどの行為をして刑に処せられたとか、

相続についての遺言書を偽造、変造したり、あるいはこれを隠したりしたとか、

詐欺または脅迫によって被相続人に相続についての遺言をさせたり、

あるいは遺言を取消し・変更させたような場合、

その他法律に定められた欠格事由がある場合

には、当然に相続欠格者となって相続権を失います。

これについて特別な手続きは必要ありません。

 

それに対して、相続人の廃除は、被相続人が家庭裁判所に申立をして、遺言書による場合は遺言執行者が家庭裁判所に申立をして、その調停、審判によって行われます。

相続人の廃除は、被相続人の請求により、その相続人の相続する権利を剥奪してしまう制度なのです。

この廃除の原因となるものは、遺留分を持っている推定相続人が、欠格事由とまではいかなくても、被相続人を虐待し、重大な侮辱を加え、あるいはその他の著しい非行を行ったようなときには、被相続人は家庭裁判所に廃除の申立をすることができます。

ただし、被相続人の兄弟姉妹やその子供が相続人の場合には、廃除することができません。

なぜなら、兄弟姉妹やその子供には遺留分がないからです(遺留分についての詳細は後に説明いたします)。

したがって、兄弟姉妹やその子供に遺産を渡したくない場合には、遺言で他の人に渡すことを残しておく必要があります。

そして、廃除が確定すると、その推定相続人は、申立をした被相続人に対する相続権を失います。

しかし、廃除された者に子があれば、その子が代襲相続人として相続することになります。

そしてもし、被相続人が廃除の取消しをしたいときは、家庭裁判所に取消の申立てをするか、遺言にその旨を書いておき、遺言執行者に取消の申立手続をしてもらうことも可能です。

 

欠格は当然に相続権を失うもの、廃除は申立により相続権を失わせるものということになります。

今回はここまでとしたいと思います。