第6回 何が相続財産に含まれるか②

こんにちは!

今回も前回に引き続き、相続人に引き継がれる財産(相続財産)にはどのようなものがあるのかということを見ていきたいと思います。

不動産や預貯金以外に、相続財産にはどのようなものがあるのか?

 

まず、被相続人が土地や家を賃貸借契約により借りていた場合は、その土地や家を使用収益する権利が生じます。

これを「賃借権」と言いますが、賃借権は相続財産となるのか?

借地権(土地を借りていた場合)・借家権(家を借りていた場合)はどちらも賃借権として相続財産に含まれます。

相続人は借家や借地をそのまま受け継ぐことが可能となるわけです。

相続するにあたり、被相続人と同居していたかどうかは問いません。

 

また、財産上の損害賠償請求権及び慰謝料請求権や著作権も相続の対象になると考えられています。

サザエさん一家で説明すると、マスオさんが会社の帰宅途中に交通事故に遭ってしまい、帰らぬ人になってしまったとします。

この場合、被害者本人のマスオさんが損害賠償請求権を取得します。

しかし、本人が権利を行使することはできないので、妻のサザエさんと子供のタラちゃんが相続することになります。

また、これと同時に、被害者の遺族に対して発生する、その精神的障害に対する賠償として支払われる金銭が受給できる権利(慰謝料請求権)も相続財産になります。

事故死の場合は、マスオさんの財産だけでなく、損害賠償請求権や慰謝料請求権も相続財産の一部に加えることになるわけです。

 

他方、ゴルフ会員権については、会員権の相続性を認めないゴルフクラブも一部にありますが、大半のゴルフクラブにおいては、会員権の相続性を認めています。

特に、最も多いと思われる預託金制のゴルフ会員権(入会の際に、一定の預託金を預けることによって会員となる)においては、会則で会員権の相続について規定していることが多く、通常の場合は相続人が会員となるかどうかは、資格審査を要するけれども、相続した会員権を売却することが可能となっています。

また、会則等で会員権の相続に関する定めがない場合でも、相続性を認める最高裁判例があります(平成9年3月25日)。

仮に会則で会員権の相続を認めていなくとも、預託金返還請求権については相続人が取得することになります。

社団法人制のゴルフ会員権においては、会員権の相続を認めていないところが多いので、会則を確かめることが必要です。

 

一方、被相続人が個人として有していた権利である扶養請求権・生活保護受給権・身元保証人としての地位・親権などの権利は相続できません。

これらは、被相続人個人が要件を満たしていたり、信頼関係を築いていたことによる権利なので、被相続人の死亡と同時に消滅します。

 

また、被相続人が個人として有していた資格である、例えば運転免許や医師免許、雇用契約による被用者の地位など、個人の能力に付与された資格は相続できません。

これらの資格が相続財産にならないのは、常識的に納得できるかと思います。

 

また、お墓や仏壇・仏具・位牌などは祭祀財産と呼ばれ、被相続人から相続人に引き継がれる物ですが、例外的に相続財産になりません。

 

相続財産となるものをまとめると、以下の通りとなります。

相続財産となるプラスの財産

不動産 建物、店舗、宅地、農地、居宅、借地権、借家権 など
現金や有価証券 現金、売掛金、小切手、貸付金、預貯金、株券など
動産 自動車、家財、宝石、貴金属、美術品、骨董品、など
その他 ゴルフ会員権、株式 など

相続財産となるマイナスの財産

負債 借金、住宅ローン、自動車ローン など
税金など 未払いの所得税、住民税、固定資産税 など
その他 家賃、地代、その他未払いの医療費 など

今回はここまでにしたいと思います。