第2回 相続のはじまり②

こんにちは!

今回も前回に引き続き、相続が開始する際のポイントについてお話していきたいと思います。

前回説明したとおり、相続は被相続人の死亡によって開始されます。

そして、その死亡の日時は何時何分まで戸籍に記載されます。

これは、相続人は相続開始の時に生きていなくてはいけないという「同時存在の原則」というものがあるからです。

たとえば、子供のいない夫婦が災害にあい、同じ日に死亡したとしても、死亡の時刻が夫の方が先であれば、後に死亡した妻は夫の財産をいったん相続します。

その後妻が死亡した場合は、この夫婦の間には子供がいないので、妻の両親が、妻が相続した財産を相続することになります。

逆に妻が先に死亡していたときは、夫の財産については夫の両親が相続人となります。

このように誰が相続人となるかは、死亡時刻によって異なるので、戸籍には死亡の時刻まで記載することになっているのです(出生の場合は年月日までしか記載されません)。

ただし、航空機事故のように、どちらが先に死亡したかが不明の場合は「同時死亡」と推定されることになるので、異なった時刻に死亡したとの反証がない限り、夫婦間には相続は発生しないことになります。

従って、先ほどの例でいえば夫の財産は夫の両親に、妻の財産は妻の両親に相続されることになります。

 

もし、上記のような場合などで相続をめぐる紛争が生じたときは、審判の申立てをする裁判所は、相続は被相続人の住所で開始することになっているので、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

もっとも、遺産分割などについては、調停(裁判のように勝ち負けを決めるのではなく,話合いによりお互いが合意することで紛争の解決を図る手続)を先におこなうのが通常の取扱いなので、まずは調停の相手方住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てることから始めることになります。

 

■脳死について

人の死亡は従来、心停止、呼吸停止、瞳孔散大という三つの徴候によって判定されてきましたが、平成9年に臓器移植法が施行され、従来の死とは別に、臓器移植の場合の死として「脳死」という新しい死の概念が付け加えられました。

脳死とは、「脳の全体的な、回復不可能な機能停止」をいい、その判定が下った場合には、本人が予め拒否の意思表示をしていたというようなことがない限り、ドナーカードによる意思表示や家族の同意によって臓器提供することが可能となりました(平成21年7月改正、平成22年7月17日施行)。この改正により、15歳未満からの臓器提供も行われるようになりました。

相続については、脳死判定により死亡時刻が決まれば、その時刻に相続が開始したと解釈することになります。

今回はここまでにしたいと思います。