第1回 相続のはじまり①

こんにちは!

少子高齢化が急速に進む中、相続や遺言、成年後見、財産管理の委任契約・任意後見契約、家族信託についての人々の関心が年々高まってきています。

「家族が困らないように財産を残してあげたい」

「相続人がもめないように遺言書を作りたい」

「寝たきりや認知症になった場合は信頼できる人に財産管理を頼みたい」

などなど、老後の不安がおありかと思います。

その中でも相続について、法律がどのような仕組みとなっているのか、全体像を理解しておくことは、将来の紛争を予防する役目を果たすと思います。

何故なら、相続をめぐる争いは、財産の多寡にかかわらずどの家庭でも発生する可能性のある問題であり、ひとたび紛争が発生すると、肉親の問題であることが多いため、感情的な対立が生じて合理的な考えで解決することが難しくなるからです。

そこで本日より、「相続教室」と銘打って、相続に関する法律について知っておくべき!という内容を記していきたいと思います。

 

 

まず、被相続人(相続される人)が死亡すると、その人に帰属していた全財産は、※1遺言※2遺贈がない場合はあらかじめ法律で定められている順位に従って、相続人(相続する人)に引き継がれます。

これを、相続といいます。

サザエさん一家で説明すると、波平がなくなった場合、「被相続人=波平」「相続人=妻のフネと子供のサザエ、カツオ、ワカメ」となります。

(マスオさんやタラちゃんは、状況によっては相続人となり得る場合もありますが、それは後述します。)

その場合の財産には積極財産(不動産・預金・有価証券・債権などの金銭的価値のある財産)、消極財産(借入金・保証債務・貸家の保証金返還義務などの負の財産)の両方が含まれます。

ただし、※3一身専属的なもの(権利のうち例外的に権利者個人に専属するものをいいます)は除外されます。

たとえば、身元保証債務(雇用契約の際に行われる、雇い主が被用者のために受けるかもしれない損害を雇用契約の当事者以外の者 (身元保証人) が担保する契約)などは、保証の範囲が広くなりすぎることから、被相続人個人に専属するものとして相続されないのが一般的です。

 

 

それでは、その相続はいつ開始するのか?

相続は被相続人の死亡によって開始します

その死亡には、「通常死亡」と「認定死亡」と呼ばれる死亡の二つがあります。

認定死亡とは、たとえば海難事故などに遭遇し、遺体は見つからなかったが死亡した蓋然性(ガイゼンセイ:その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性の度合)が極めて高いときに、取調べをした官公署の死亡報告書に基づいて死亡が認められるものです。

その他には、被相続人が行方不明で長期間生死がわからないときには「失踪宣告」という制度があり、その申立てが認められると死亡したものとみなされます

なお、失踪宣告が確定したあとに生存が確認された場合は、取消しを家庭裁判所に求めることができます。

この場合、原則的には、相続はやり直しとなります。

このように一口に死亡といっても、これらの内容のものが含まれるということになります。

今回はここまでにしたいと思います。

 

※1遺言・・・遺言(ゆいごん)とは,被相続人の最終の意思表示のことです。

遺言を作成しておくことにより、相続財産の承継について、被相続人ご自身の意思を反映させることが可能となります。

ただし、遺言はただの遺書とは違います。

法律で定められた方式で作成されたものでなければ法的効果を生じません。

法律で定められた遺言の方式としては、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言などがあります。

 

※2遺贈・・・遺言(ゆいごん)によって、財産を、相続人以外の者におくること。

 

※3一身専属的なもの・・・具体的には、民法で規定されているものとして、

  • 使用貸借契約における借主の地位
  • 代理における本人・代理人の地位
  • 雇用契約における使用者・被用者の地位
  • 委任契約における委任者・受任者の地位
  • 組合契約における組合員の地位

があり、民法の明文規定はないものの、

  • 代替性のない債務(有名画家が絵を描く債務など)
  • 親権者の地位
  • 扶養請求権者の地位
  • 生活保護給付の受給権者の地位
  • 公営住宅の使用権

なども一身専属てきなものと考えられています。